KSプロジェクト「海城生の知らない世界2024」2日目
2025.02.25
KSプロジェクト「海城生の知らない世界」第2回目の2月19日(水)は、本校OBでもあるミュージシャンの岩出拓十郎さんをお迎えし、海城で過ごした中高時代を含む自身の生い立ち、そこから紐解く音楽活動を続けている理由などを、楽曲の演奏とあわせてご講演いただきました。
「ロック=反抗」とは何か。
音楽や詩などの芸術に触れることで、最初は意味のわからない表現であっても、次第にそこに織り込まれたものが少しずつ開かれていくという感覚。
流行、通俗性からあえて距離を置くことの意義。
アーティストならではの視点から見える世界を垣間見ることのできた時間でした。
公演終了後も質問は止まらず、特に音楽や演劇など創作活動を行なっている生徒は、アーティストに直接アドバイスをもらう貴重な機会を得ることができたようです。
以下に、今回の講義に参加した生徒の感想を一部抜粋してご紹介いたします(原文ママ)。
身体のランダム性を重視する音楽制作が印象に残りました。僕も吹奏楽をやるんですが、デジタルではなく人が吹くからこそできる表現を大事にしたいと思いました。(高2)
岩出氏の曲を聞いた時、曲の中に自分の生き方を乗せているような感じがした。(中1)
今日の話を通して、僕は周りがすでに大学受験に入っていたりする中で本当に自分はこのままで大丈夫かと思っていたが、せっかく入った中高一貫校なのでこの学校で自分の好きなことをして少しでも悔いのないような生き方をしたいと思った。周りがみんな勉強をしている中で、自分は少し違うことに情熱を捧げて、自分が変わることを恐れないで自分の好きなものを突き詰めていきたいと思う。(中1)
音楽を作るようになった自分にとって今日の授業は大変有意義なものになった。特に印象深いのは、講演後に話した時の「完成はない」という言葉だ。僕は創作をする中で無意識に絶対唯一の完璧な作品を求めていた。それを作ろうとする気概は僕の創作意欲を高める一方で、僕自身を苦しめるものでもあった。(中略)自分の中で岩出さんの「完成はない」という一言が響いた。完成させなければならないという呪縛から逃れられたような解放感があった。(高2)