担当教科について
一言で言えば自分の世界が広がる
英語科 / 岡崎 行則先生
-Q1 担当教科に興味を持つきっかけ
私は公立中学に通っていましたので中学1年から初めて英語を学び始めました。小学校時代も全く英語との接点はありませんでしたから、文字通り0からのスタートでした。当時の教科書は今と違いコミュニケーションなどということは意識して作られていませんでした。アルファベットを一通り学習した後のLesson Oneの最初の文は “This is a pen.”でしたね。今から思うと一生でこの文を使うことはまずないはずですが、当時はもちろんそんなことは何も分からず、ただ外国語の音を聞くのが新鮮で楽しかったのを覚えています。中1の頃というと日本の歌謡曲からちょっと背伸びして洋楽に興味を持つ年頃でもありました。私の頃は今は亡きCarpentersが流行った時代でラジオから流れてくる “Yesterday Once More” や “Top of the World”といった曲をカセットテープに録音して意味もろくに分からないのにハモってました。また映画にも興味が出てきて “Sound of Music” や “Mary Poppins”などのミュージカルが印象に残っています。自分の小遣いではレコード(当時はCDは存在しませんでした)はなかなか買えなかったので図書館でレコードを借りてきてカセットテープに録音して何度も聞きました。ついつい自分の趣味を押し付けてしまうのですが、今教えている生徒諸君に “Sound of Music”の中で歌われる “My Favorite Things” を聞かせたりしています。洋楽や洋画の音声が聞き取れたらどんなに楽しいだろうなというあこがれがだんだんと芽生えてきて、英語という教科により親しみを感じました。
-Q2 担当教科の魅力
一言で言えば自分の世界が広がるということです。それまで日本という枠の中でしか育っていなかった自分にとって海外という新しい世界観が加わることで、世界にはこんな音楽を作っている人がいるんだ、こんな暮らしをしている人がいるんだという発見は大きなインパクトがありました。特に学んだことに実際の現場で遭遇すると苦労して覚えてよかったという満足感を味わうことができます。
トリビアな話で恐縮ですが、本校で実施しているアメリカ海外研修でお世話になっているバーモント州にストウという場所があります。実は “Sound of Music”の主人公マリアのモデルとなったのがマリア・フォン・トラップという方ですが、生まれはオーストリアながら、亡くなったのはバーモント州なのです。このストウの地にトラップファミリーロッジという場所がありこの一角にある墓地に眠っておられます。このロッジにレストランがありここを訪れた際にメニューを見ていると apple strudelなるものが載っておりました。私の脳裏にはすぐさま “My Favorite Things”の歌詞に出てくるあれだ!ということが浮かんできました。中学で初めて聞いてどうもデザートらしいということは分かっておりましたが、果たしてどんな味なんだろうとずっと気になっていたものと10数年の時を経て映画の主人公ゆかりの地で遭遇することができたのです。食後に注文したのは言うまでもありません。私にとっては忘れられない味でもあり、当時苦労して覚えた英語の歌詞が現場でつながる経験ができてとても嬉しかったのを覚えています。本校の研修がなければストウに行くことなどまず一生ないと思うので偶然の重なりに感謝しています。
英語科 / 岡崎 行則先生