平成23年度海城忘年寄席

2011.12.21

さる16日、二学期末の試験を終えてまずは今年もやれやれ、という部員達の企画立案により「平成23年度海城忘年寄席」が、元参議院議員で中国哲学の泰斗でもいらっしゃる野末陳平先生をお招きして開催されました。野末先生には、今夏行われた、当部によるムーランルージュ新宿座研究以来、ご交際を頂戴しております。
 まずは野末先生より開会の辞を頂き、第一部へ。
海原亭凌雲さんの「紀州」で幕が開き、地図男さんのボードビル、浦島家年執太さんの「がまの油」、家家家家ハウスさんの即興時事謎掛けと続き、主任(とり)は、海原亭創雲さんの「蒟蒻問答」でした(写真1)。
 その後は暫し、部員と野末先生との歓談の時間となりました。数々のベストセラーをもつ野末先生へ「ベストセラーを出すコツとは?」なる質問が部員から出されました。野末先生曰く、「これはついこの前も編集者から聞かれました。実のところベストセラーは狙ってできるものではなく、飽くまでも結果論です。コツというコツはないのです。ただ、興味あるものに対する深い探求心と努力がなければ話は始まりません」とのお話を頂きました。数々のベストセラーをものした先生ならではの説得力を感じずには居れませんでした。
この説得力によるものでしょうか、他の部員に席を外させた上で、先生に人生相談を始める部員も(写真2)。相談氏曰く、野末先生に実に親身にアドバイスを頂いたと感激しておりました。
歓談の締めは、先生若き日のロスアンゼルス、サクラメント、そしてラスベガスへと続いた「東洋神秘の占術家・波乱の米国道中記」に一同、抱腹絶倒させられました。

 〈写 真 1〉

 〈写 真 2〉


 第二部は、志生堂椿さんの「始末の極意」でスタート。イソギンチャクの漫才、大空亭空巣さんの「ぜんざい公社」、奇座平さんのスタンダップコメディ《けんだまんだん》と続き、大主任は海原亭圓両さんの「中村仲蔵」でした。 
その後、野末先生に因んで、「李白チームと杜甫チーム」の四対四に分かれた対抗大喜利を敢行。和やかな進行の中、回答者の面々を頼もしく見つめつつ、この一年の活動を回顧致しました。
 最後に、野末先生から講評を賜り、
年執太、創雲、圓両の皆さんに「野末賞」が授与されたのでした。
 実に四時間余に渡るプログラムでしたが、野末先生曰く、「あっという間でしたね。この一座には曰く言い難い面白さがあります。また来年、お会いしましょう」との言葉を頂き、一同大いに喜んだところで、創雲部長による三本締めにて閉会と致しました。
 次回の海城寄席は当部の創設者二人(写真3。左が海原亭創太さん、右が近視家三本助さん。中央は野末先生)の引退披露として、来年三月の開催を予定しております。
皆様におかれましてはよいお年をお迎えください。         (古典芸能部顧問)

 〈写 真 3〉