理科 中1地学野外実習〜多摩川巡検と化石採集
2011.12.19
成績処理2日目の12月15日(木),中1の希望者を対象に,東京都狛江市の多摩川の河原で,地学分野を中心とした野外実習が行われました。現地では,昭和49年の台風による「狛江水害」で多摩川が決壊した場所を訪れ,決壊した場所や水が流れた場所などを見学しました。また,河川が作り出す地形や堆積物(川原のレキ)などを手にとって観察し,どのような岩石があるかなどを学びました。
午後は,じっくり時間をかけて,約100万年前の海で堆積した地層から,貝などの海棲生物の化石採集を行いました。諦めずに熱心に掘り進めたので,皆,貝の化石を持ちかえることができました。
例えば,水害の現場を訪れ,実際の場所でどこまで水が溢れたのかを感じることは,ただ事実を知る以上の意味があると感じます。このような教科書で学んでいる事や災害史にも出てくるような事例を,座学として学ぶのではなく,実際に訪れることでより深い学びとなったのではないでしょうか。きちんと引率者の指示を聴いて行動してくれたので,事故もなく充実した日になりました。
川原から宿河原堰を見学。ここが「狛江水害」時に多摩川が決壊した場所です。
対岸には富士山が見えました。天気もよく珍しくずっと夕方も富士山が見えていました。
多摩川決壊の碑の前で集合写真。
この場所まで水が溢れたことを想像してもらいました。
川原に着くと,まず落ちている色々な種類のレキを集めてもらいました。
集めたレキを並べて比較し,岩石の種類を説明します。
1つ前の写真では,石灰岩にうすい塩酸をかけていて,泡が出たのがわかります。
ハンマーの使い方のレクチャー。飛び散る破片に気をつけましょう。
化石採集をした飯室層。100万年前のまだ柔らかい地層で,川によって削られてこのような形になります。これも地形観察のポイントです。
化石採集の様子(その1)。本当に集中力を持って取り組んでおり感心しました。
化石採集の様子(その2)。この2人は協力して掘り進めていました。
実際に生徒が採集した化石の一部です。