お~いお茶新俳句大賞、NHK全国短歌大会入賞
2016.04.12
中学3年生の大熊光汰君、稲垣然君、西岡達己君が、「NHK全国短歌大会」に、木下凪君が「お~いお茶新俳句大賞」に入賞しました。
以下に優秀賞や特選に輝いた、木下君と大熊君の作品と、本人からのコメントを掲載します。
第27回NHK全国短歌大会 ジュニアの部 特選
読み方が全くわからぬ漢字ども読めないだろうとふんぞり返る 大熊光汰
大熊君から
「漢検の勉強中、むしゃくしゃした気持ちで書きました。準2級受かって良かったです。」
第26回 伊藤園 お~いお茶新俳句大賞 中学生の部 優秀賞
鳥帰る僕は電池を取り換える 木下凪
木下君から
「伊藤園新俳句大賞に何句か応募したが、なぜ優秀賞でこの句が選ばれたのかいまだにわからないが、優秀賞をもらえたのはとてもうれしかった。」
NHK全国短歌大会の選者には、本校英語科の教員で、歌人である大松達知先生もいらっしゃったので、入賞した短歌についてコメントをいただきました。
「今回は、同じジュニアの部でも小学生の部を担当したので、みなさんの歌を拝見することはできませんでした。しかし、中学生の部の選者の佐伯裕子さんは、海城生の「言葉のレベル」は他の応募校よりも圧倒的に高くて印象的だったわと言っていました。それは小学生のときからいろいろと頭を使ってきた成果だと思います。ただ、短歌は論理的に説得してゆくものではありません。いわゆる学校の勉強ができるということと(重なるところもありますが)、すこし違います。
それはたぶん、答えのない言葉を探してゆくというか、他の人が言いそうにない表現を探してゆくことが大切だからだと思います。同じ物を見て、自分だけにしかできない見方を開拓してゆくこと、それが短歌(というか、社会のレポートでもなんでも、モノを書くことの)極意です。失敗してもいいから思い切って言ってみることは楽しいものですよ。
さて、大熊君は、読めない漢字がふんぞり返ると擬人化しています。漢字を人間と対等に見て、心理戦をする感覚が新しいですね。
短歌は実は「思っていることを表す」だけのものではありません。57577のリズム(定型と言います)と言葉を暗闇の中の懐中電灯のようにして、「ふだん意識していない自分の心を汲み出す」ものでもあります。今回、短歌を作ろうとうんうんと考えているうちに、自分の中のなにか変なものが頭の中に生まれてきたりしませんでしたか?それが短歌のタネなんです。
これからも、なにか頭のなかにもやもやすることがあるなあと感じたら、それは何なのかを、短歌の形にしてみてください。」
今後も多くの受賞者が出ることを期待します。