数学科リレー講座
2011.07.15
数学科では昨年の夏から、「リレー講座」を始めました。
これは、8月中に6日間連続で、日替わりで担当者が登場し、あるテーマについて平易に、しかし、単に「おはなし」に終始することのないよう解説します。
そこでは、先人たちの偉業とそれに伴う苦労や喜びに思いを馳せ、教員と生徒がそれぞれ、自身の「数学の心」を育むことを目指しています。
第一回目となる昨年は、「アーメスのパピルスからペレルマンまで」と題して、3600年前から現在までの数学史を概説しました。
写真はそこでの講義録をまとめた冊子(本校研究集録として刊行)です。
さて、今夏のリレー講座は「ガロア理論」を概説します。
本年は、「5次以上の代数方程式には、代数的な根の公式が存在しない」という数学史上の記念碑的偉業を証明したフランスの数学者E.ガロアの生誕二百年にあたります。
この偉業は、ガロアの天才に敬意を表して、今日「ガロア理論」と称されており、現代においてなお、この理論を母体とした新しい数学理論が生み出されています。
ところで、ガロア理論はその強い抽象性の故か、世評では難解な理論とされています。
しかし、初めから天与の体系の如く整然と出現したわけではなく、原点(典)に帰れば必ずやそこには親しみやすい具象の数々があるはずです。
それらを用いて、本講座では地に足のついた理解を目指します。
なにより、講座を担当する一同が、この数学史上の金字塔とも謂うべき理論の明晰さを理解し得た際のあの感動を、中高生に伝えたく、時あたかも記念すべき年であり、この機を逸してはならず、となりました。
意欲的、ともすれば無謀との印象を持たれる向きもあろうかと思いますが、まずは1ヶ月後の開始にご期待ください。
なお、対象は中1から高2までであり、日替りの内容は以下の通りです:
初日(8月22日)E.ガロア伝。2日目(同23日)群とはなにか?3日目(24日)群の例、部分群とはなにか?4日目(25日)商群とはなにか?5日目(26日)2次と3次の方程式のガロア理論。6日目(27日)4次以上の方程式のガロア理論。
期間中、毎日、その日の内容を簡単にご紹介し、受講者の感想と、授業風景の写真をこのコーナーでご紹介する予定です。
ご一覧いただければ幸いです。 (数学科リレー講座担当者)