理科 地学 中学1年生希望者対象 国立極地研究所見学会
2016.03.25
3月11日(金)成績処理2日目に,中学1年生の希望者を対象に,計27名が国立極地研究所を見学しました.この見学会では,最先端の研究所の施設や資料を見学し,研究者の生の話を聴くことにより,理科への興味・関心を高め,授業では得難い経験をしてもらうことが目的で企画しました.前半は,生物圏研究グループ教授の伊村 智 先生より,ご専門であるコケ植物の話と絡めながら,広く南極に関するサイエンスの講義をしていただきました.質問もたくさん飛び出し,興味・関心も高まったのではと感じました.後半は,グループに分かれ,①雪氷関係の試料を保管・分析する低温室の見学,②南極隕石の保管庫,③最近,30年ぶりに冷凍保存から蘇生したクマムシを研究室で見学させていただき,最後に南極・北極科学館を見学しました.普段は入れない研究施設に入ったり,科学館にある実物を楽しんだりすることができました.お疲れ様でした.
伊村智先生による講義.積極的に質問する生徒.たくさん質問が出ました.
低温室の見学.防寒着をお借りして,-30℃の世界へ.手先や顔がピリピリしました.
南極で見つかった隕石と保管の様子を見学.科学館で公開されていない隕石も見られました.
南極・北極科学館の見学.極地の生き物,雪氷,岩石・鉱物,基地設営,歴史などの多岐にわたる展示やオーロラシアターがありました.
生徒の感想(抜粋)
・僕は国立極地研究所で、今までほとんど知らなかった南極大陸の素顔を知る事ができました。特に伊村智先生の講義では、一瞬たりとも聞き逃せない、とても興味深いお話を聞く事ができました。その後も、クマムシの観察や凍えるようなマイナス三十度の倉庫の見学、さらに隕石に触れたりと日常では経験できない非常に貴重な体験をする事ができました。僕は特に隕石について興味を持ちました。国立極地研究所で保管されている隕石は、約一万七千個もあり、そこで触らせて頂いた隕石の重さは、今もしっかりとその感覚が手に残っています。この隕石が全て果てしない宇宙からはるばると地球へやってきたものだとは信じられないほどでした。この国立極地研究所では、学べた事がたくさんありました。また機会があればもう一度行ってみたいと思います。
・まず、伊村 智 先生の講演では、特に2つのことが印象に残りました。第一に、南極において低温は、凍傷だけでなく 乾燥という危険性をももたらすことです。低温は、液体の水を枯渇し乾燥をもたらすため、動物が亡くなるとミイラ姿になるということがとても衝撃的でした。また、その姿をあちこちで見つけることができるというのも印象深かったです。第二に、氷の下には藻が張り付いていて、その藻が南極の栄養源になっていることです。藻は海底にあると思っていたので 海に浮かぶ氷に付いているとは考えもしませんでした。また、氷点下のような環境の中でも生物は豊かに生息していることも驚きでした。これらの情報は初耳で、どれも興味深いお話だったので、貴重な経験をして良かったです。この場をお借りして 伊村先生にお礼を申し上げたいです。貴重なお話をして下さり、ありがとうございました。次に館内見学では、特に低温室体験が印象に残りました。屋内で風がないため、急激な寒さと言うよりも体内の芯から凍っていきそうなジワジワとくる寒さを感じました。その時に、少し独特な匂いを感じたのですが、それがどこから来たものなのかが気になります。こういった研究所に行くことはほとんどないので、この見学会に参加して良かったし貴重な体験となったと思います。