試験の夢-高校三年生諸君へ
2008.01.30
「試験の夢を見る」という内容をときたま自伝的なエッセイの中などで目にすることがある。中身は決まって自信満々でスラスラと思い通りに問題を解きすすむというのではなく、悪戦苦闘する姿である。言ってみれば悪夢に近い。作者の経歴を見ればこの人がそんなに試験で悩んだのかと思えるくらいのりっぱな経歴の持ち主であったりする。逆に言えば傍目からは伺えない不安をみんなが体験してきているということだろう。不安は個人的かも知れないが、同じ土俵の上、同じ制度の中では自分自身だけではないはずだ。等しく皆が感じているはずだ。不安やストレスを飼いならしたり、手なずけたりするのは至難の業だ。しかし、自分だけでないと考えることで少しは肩から力が抜けるはずだ。
実力不足は論外として、実力を発揮できない状態はもっとも悔しいことになる。不安やストレスは肉体の健康とも関係しているようにも思う。かと言って寝不足やなにかが直ぐにマイナス要素かというとそうも言い切れない。自分の体験で言えば、寝不足でボーッとしているときに解説や説明がうまくいく例もあるし、休養十分でも授業の自己評価が低くなることもある。不思議としか言いようがない。人間にはそんなこともあるのだとしか言いようがない。ということは試験前日の寝つきの悪いくらいなんでも無いということだろう。
受験を控えた三年生の諸君には励ましにもアドバイスにもならない文章だが、風邪などをひかないように注意してぜひ目標を達成してほしいと思う。
教頭 五十嵐 寛