校長室からメッセージ  6

2008.01.09

《 インクルージョン(包摂)の体験 》
  
2つの学年通信から
 2学期末に発行された中学3年の学年通信は、B4版3ページに渡り第3学年で作製され生徒に配布されました。
 その中の一部ですがここで紹介します。見出しを含めて載せますが、このホームページ 中、
「学校案内」の中の「学校生活」欄「各学年」の項を選び、「中学3年」の項を見ていただきますとこれまでの学年通信の中身がご覧いただけると思います。
 ここではその一部を再掲します。
 『1、包摂(インクルージョン)ということ
今年の文化祭・体育祭では諸君は中学最上級生として、リーダーシップを執り、下級生達をまとめあげていかなければなりませんでした。文化祭では主として文実が、また体育祭では応援団や体実の生徒達がその任を担ったわけですが、当初はなかなかそれが上手くいかなかったようです。とりわけ体育祭の応援練習では、言うことを聞かない下級生を持て余して涙を流す中三生も現れました。「どんな時も力を出し切る。宵越しの体力は残さない。」「アイロニーやシニカルな笑いは自重する。」といった前提を共有しない他学年の生徒たちとコミュニケーションを取ることの難しさをそれらの生徒たちは身をもって知ったはずです。しかし、応援に協力的でない下級生達を頭ごなしに叱ってもいたずらに反発を招くだけだと知った彼等は、その後はそうした下級生達に対する接し方を改め、彼等を追い詰め、追いやるのではなく逆に自分たちの側へ巻き込むための工夫を試みたようです。そうした試みが全て功を奏したわけでは勿論なかったでしょうが、それが一定の成果を挙げたことは体育祭当日の盛り上がりに示されていました。
前提を共有しない異質な集団と係わる時にいかに振舞うべきか。相手を排他的に追いやるのではなく、相手との間に何らかの共通点を見出して、それを端緒に相手を巻き込んでいくこと、それが標題に掲げた包摂(インクルージョン)ということです。今学期の振り返りの中から君らに是非とも気付いてもらいたいことの一つはこの包摂ということの重要性です。』
 私は本校教育の特長の一つは、「人間力の養成」であることを挙げています。
 人とのコミュニケーションの取り方・人と人との接触の仕方について知識だけでなく、「体得」していくことが、この学校で学ぶ生徒が将来社会に出たとき自らの属する集団の中で存在感が増していく原動力になっていくものと考えています。
 ここで取り上げた文章はその過程の一端を示していると思われます。人間力の養成は、こうした学校行事の中に意図的に込められておりますし、前に上げたPA(プロジェクトアドベンチャー)や、本校で盛んな部活動の中で等々幾つもの教育活動の中で、その達成を目指しております。
《 高3は入試直前アドバイス 》
もう一つの学年通信は同じ2学期末に発行された高等学校3年のものです。高3の学年通信は先ず《3学期のスケジュール》があり、それには1/8の始業式。続く1/9から前期選択授業を開始し、1/16日まであり、1/19,20の大学入試センター試験。1/21はセンター試験 リサーチを経て、1/22から始まる後期選択授業と続きます。
 大学入試センター試験は高3生のほぼ全員が受験します。
 その後、《 3学期の授業 》、《 調査書の発行について 》が並び、次に《 入試直前アドバイス 》と続きます。
 ここには英語、数学、英語等の回答に当たっての心構えが記されています。
 《 最終コーナーにさしかかって、今、… 》
 と題し、大学受験を間近に控えた今の心構えを説いています。
 校長  和 田 征 士