数学科リレー講座「生誕400年記念 パスカル特集」4日目
2023.08.23
リレー講習の四日目、講義の前半では、ブリアンションの定理を紹介しました。ブリアンションの定理とは、『円錐曲線に外接する六角形ABCDEFの対角線AD, BE, CFが1点で交わる』という、とてもシンプルな定理です。講義では、円錐曲線における極と曲線の関係を巧みに利用することで証明をすることができましたが、この証明には穴があります。『2直線の交点が存在しない場合』の議論が抜けていたのです。これを解決するために後半の話に引き継ぎました。
講義の後半では、前半の問題点の解決のために『射影平面』という概念を導入しました。この射影平面上ではどのような2直線も必ず交わります。つまり、平行な2直線も無限遠点で交わると考えるのです。射影平面を用いた議論をすることで、ブリアンションの定理の場合分けは不要になりますが、ここで得た概念を5日目と6日目に深掘りしていき、最終的にブリアンションの定理の証明を完成させたいと思います。