2021数学科リレー講座【3・4日目】

2021.08.27

  • KSプロジェクト
  • 数学科

『Cayley生誕200年記念』と題してスタートした『数学科リレー講座』も, 中盤を迎えました。今回は, 講座3・4日目の模様をお伝えします。

【3日目】
3日目のテーマは逆行列と連立方程式です。前半は, まず行列の商を考えない理由を考察した後, それに代わる逆行列の考えを紹介しました。後半は, 連立方程式を行列を用いて解く方法について解説しました。最後に, 3次正方行列の逆行列の求め方について紹介しています。3日目までで行列についての基礎的な演算や知識を学びました。これまでの内容を基に後半は, 行列の構造をより詳しく調べたり, 豊富な応用例を学んでいきます。
以下, 生徒の感想です。
・2元の連立方程式を, 逆行列を用いて解くことができました。しかし, 3元の連立方程式を解こうとしたときに, 逆行列を求めることが難しく, 分かりませんでした。逆行列を求める時に行基本変形を用いて変形するのが面白かったです。(中1)
・先生の説明が分かりやすくて, 練習問題も何をすればいいのかがよく分かった。(中1)
・2日目は難しく, 終わりの方は分からなかったが, 今回は割とよく理解できた。3次以上の逆行列も分かったのでよかった。この講座の続きもがんばりたい。(中2)

【4日目】
4日目は, 2次方程式を因数分解を用いて解く練習を少し行った後, 「固有値・固有ベクトルと対角化」について取り上げました。なぜ行列を対角化するのかについて考えた後, 行列があらゆるものの変換(1次変換)を表していることを具体例を通じて確認しました。ベクトル自体未習の中学生にとっては, 新しい概念が次々登場して頭の整理が大変そうでしたが, それでもなんとか食らいついていこうする姿が印象的でした。固有値・固有ベクトルについては, 具体的な行列に対して求める演習の時間が十分確保できなかったので, 明日(行列のn乗を求める前に)改めて確認の時間を取る予定です。
以下, 生徒の感想です。
・最初は, 行列など中1のやる内容ではないと思っていましたが, ここまでの4日間, 先生の分かりやすい解説で行列への理解を深めることができて, とても良い体験をすることができた。(中1)
・この講座の紹介で, 「行列を用いて100日後の状況を知る」という例題が載っていたが, 対角化を習ったことで, この問題を解く糸口が見つかったような気がしてとても面白かったです。(中2)
・リレー講座は全く知らないことについてやるので, こんがらがちである。解説を聞きながら, 定義を確認したり前のページに戻ることも重要である。過程をすっとばして, 最後まで分かるというのは数学にはない。理解のために冊子を読み込むのと先生の話に集中することのバランスの取り方が非常に難しかった。(中2)