モンゴルスタディツアー 5日目 新モンゴル高校でのサマースクール&数学四校対抗戦
2019.08.03
8月2日、朝から新モンゴル高校に伺いました。新モンゴル高校ではサマースクールを実施しており、日本語の授業を行っています。そこに生徒は混ざって授業を受けました。日本語の授業を受ける?そんなの意味あるの??そんな風に思うかもしれません。でも、生徒達の気づきは多かったようです。例えば、中3の尾崎君は『「~間…」と「~間に…」の違いや、「~によって…」と「~によっては…」の違いなどがかなり細かく説明している。僕らが感覚で理解している事を文法的に解説している。日本で英語の授業で文法を学んでいるのに似ている。英語のネイティブの方が日本で英語の授業を受けたら同じ感覚になるのかもしれない。』という感想をもちました。海外で日本語の授業を受ける機会はなかなかありません。言語を学ぶという事はどのようなものか、得難い気づきを得ることができました。
お昼には、ナランバヤル校長先生と一緒にお話しをしました。「学びとは何か」「判断力の大切さ」「好奇心を持ち続けよう」「将来の夢」などについて生徒と一緒に話をしました。校長先生の話はとても面白く、生徒達も聞き入っていました。生徒が「校長先生の夢は何ですか?」という問いに対する校長先生の夢の壮大さに生徒達はとても驚いていました。校長室から出た後の生徒達から「自分も頑張ろう」とする気持ちを感じることができました。
校長先生との対話の後は、「海城とはどういう学校か?」「日本の社会問題」「日本の遊び」「日本のサブカルチャー」についての発表をしました。日本のサブカルチャーでは、かなり難しいアニメのキャラクターをクイズに出しましたが、新モンゴル高校の生徒はそれも正解しました。日本の文化がとても浸透しているのを感じました。1時間の発表予定でしたが、授業の関係で30分に変更になったのにも関わらず、臨機応変に対応し、堂々と発表した彼らを見ているとモンゴル流のたくましさがついてきたようにも感じました。
この後、彼らは新モンゴル高校の生徒と共にホームステイ先に向かいました。
さて、一方、海城数学班は、海城、新モンゴル、オロンログ、新モンゴル日馬富士の生徒による四校対抗戦に参加しました。問題は全部で5問。1、2番を手堅く正解した海城チームですが、3番と4番を落とし劣勢に陥りました。
ここまでは答えのみを発表する問題でした。果たして、得点が多く、解法をプレゼンテーションする最後の第5問に賭けた海城チーム。
二人の判定委員の厳しいレフェリングを受けながらも堂々の満点を獲得。出題委員からは全く意図していない独創的な解法で実に素晴らしい、との賛辞を得ました。結果、海城と新モンゴル日馬富士が同点優勝に輝きました。数学班にとって、国際親善試合は勉強になったことでしょう。
殊に、新モンゴル日馬富士は、日馬富士理事長が、学園の学習の中核としてロボットコンテストを据え、現在、素晴らしい施設を建築中との説明を昨日受けていた(写真)だけに、理事長のサイエンススピリットが奏功したものと思われます。
この後、海城数学班の研究発表が行われ、国際数学オリンピックのメダリストや、教育大学の数学教授の方々から高い評価を頂きました。
最後に、昨日既報の新城門プロジェクトからの合格第1号となる、モンゴル国立大学医学部の女子学生さんが駆けつけられ、新城門で、実に多彩な解法を学んだお陰で、800点中の760点のハイスコアを記録し合格に至ったこと、将来は脳の研究をし、世界に寄与したいとの抱負をもらいました。同時に、このプロジェクトから米国ジョンズホプキンス大学医学部への合格者(女子学生)が出現したことも判明。同大学へはモンゴル国から初の進学者となるそうで、大いに気勢があがりました。後刻、彼女のインタビューもご報告する予定です。
ともあれ、四校の生徒の皆さん、先生方、応援に駆けつけられた生徒の保護者の皆様、有難うございました。