第9回数学科リレー講座~5時限目~
2018.09.01
5時限目は、フーリエ級数展開の係数を決定し、それを応用してオイラー級数(自然数の2乗の逆数の無限和)の値を求めます。
前半は、2時限目に学習した三角関数の公式や4時限目に練習した積分計算を組み合わせて、いくつかの補題を証明。
その中でも、フーリエ級数の係数決定において重要な役割を果たす三角関数の(L^2)直交性を示すことが一番の目標でした。
後半は、まず、前半に証明した補題(三角関数の直交性・周期性・積分値)を総動員してフーリエ級数の係数を決定しました。
その方法は本質的には1時限目に解説した連立1次方程式の解法と同じであったため、その共通性が心の琴線に触れた生徒も少なくなかったのではないでしょうか。
次に、y=x^2のフーリエ級数展開式を利用して、オイラー級数の値を求めました。
そのフーリエ級数を求める際には、前日に苦労して習得した部分積分法を用いたため、その結実に溜飲が下がる思いをした生徒もいたことでしょう。
最終回は、フーリエ変換と、その応用について講義します。
【受講者の感想】
(高1)高校数学において結構メインとなるテーマである三角関数と微分・積分を結びつけて考えていたので別の分野だと思っていたものがつながって面白いと思った。y=x^2(-π≦x≦π)という関数もフーリエ級数展開をすることで違う表し方もできることを知れて、それも面白かった。これらのような式を導くのは大変そうであると思ったが今までの公式や考え方を使えば解くことができるので問題を解いていていきづまったときには一見関係なさそうな公式でも頭に思い浮かべて最後まで頑張りたいと思った。
(高2・理系)実際に2次関数がsinやcosの和で表されることが分かって面白かった。また、有理数を無限に足していったときにπが現れるという不思議な式を導出できて楽しかった。講習の前半では必要な基礎知識を解説してくださったのでとても理解しやすかった。
(高2・文系)最終日、今までに出てきた公式・定理たちを使うことでFourier級数展開をし、Euler級数の値を求めることができた時に、3日間教わったものが全てつながったように感じられ、達成感があった。
三角関数の直交性
オイラー級数