高校模擬国連国際大会訪問記第3日目
2018.05.11
早くもニューヨーク滞在3日目に入り、本日は表敬訪問の中でも特別な意味を持つ中満泉さんとの面会がありました。中満さんは国連事務次長・軍縮担当上級代表という長い肩書をお持ちの方です。要するに高校生がそう簡単にお目にかかることはできない特別な方です。国連本部の厳重なセキュリティーを通過して一般立ち入り禁止区域のフロアに案内されると、中満さんがおいでになりました。軍縮担当として、シリアの化学兵器、イランの核問題、北朝鮮の非核化という大きな課題に日夜取り組んでいらっしゃるとのことです。現在軍縮でなく軍備拡大へ向かう国もありますが、国連の一環した立場は人命を救うための軍縮を目指すことです。立場の違う交渉相手の意見を真っ向から否定するのでなく、まずはなぜ立場の違いが出るのかを知る誠実な努力が大切だと仰っていました。昨日までにお目にかかった方々からも表現の違いはあっても、最後は人と人とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要であるとお伺いしておりましたが、本日も同じ趣旨のお話を伺い、模擬国連活動でもぜひ意識すべきであると思いを強くしました。中満さんはお忙しい毎日ではありますが、楽しんで仕事をなさっており、つらいと感じたことはないというコメントも印象的でした。
次にJETRO(日本貿易振興機構)のニューヨーク事務所を訪ね所長、次長の方々からお話を伺いました。JETROとは日本の企業の海外展開支援などを行っている組織です。皆さんご存知の例で言えば、定食屋の大戸屋やヘアカットのQB HOUSEも実は今やNYに進出しています。価格は日本より高めに設定されてもアメリカで十分戦っていけるだけの品質で顧客を集めているようです。JETROはアメリカだけでなく世界54か国に事務所を構えています。日本が持つ伝統的な職人技は世界に誇れるものですが、日本国内だけでは販路拡大は困難です。例えば和傘を傘本来の用途でなく、照明のシェードとして使用することで海外での需要が増えているというお話を伺うと、発想の転換で大きなビジネスチャンスが広がることになり、日本製品の持つ魅力がさらに高まると感じました。
明日からはいよいよ模擬国連国際大会が2日に渡って始まります。派遣生は全員ウルグアイ大使としてそれぞれの議題に臨みます。健闘を期待します。(グローバル教育部)
中満さんとの質疑応答の一コマ。マイクが映っていますが、本日もNHKの取材が入りました。
中満さんとの面会を終えて集合写真
JETRO訪問を終えて集合写真