地学部 長瀞巡検
2014.04.06
地学部は4月6日(日)に埼玉県秩父郡長瀞を訪れました。長瀞は地下20−30㎞程度の高圧下で形成された結晶片岩という変成岩で有名な場所です。東京帝国大学の初代地質学教室教授のナウマン博士以来、多くの研究者が訪れていることから「日本地質学発祥の地」とも呼ばれています。荒川の流れによって削られ、変成岩が段丘のようになっている「岩畳」をはじめ、ポットホールやインブリケーション、褶曲や断層などさまざまな地質的な見どころがあります。
残念ながら、寒さと強風に続き小雨も降ってきたため、予定していた行程を消化しきれないまま早目に切り上げることになりましたが、ぜひまた別の機会に訪れたいと思います。
「岩畳」で集合写真。右のがけは「秩父赤壁」といわれる、荒川の侵食作用によって形成された崖です。
紅簾石は1888年、小藤博士によって世界で初めて報告されました。親鼻橋付近の紅簾石片岩には、大小2つのポットホールがありますが、これらを含めいくつかのポットホールの計測をしました。
都心から一番近い蒸気機関車、秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」に興奮していた部員もいたようです。
『つくづくと「粋なもやうの博多帯」 荒川ぎしの片岩のいろ』
大正5年、盛岡高等農林学校の学生だった宮沢賢治が秩父巡検で同地を訪れ、結晶片岩のいろや模様の美しさを博多帯になぞらえて表現したものです。
賢治が歌に詠んだ「虎岩」。スティルプノメレン片岩という結晶片岩です。
「日本地質学発祥の地」の石碑。赤鉄片岩でつくられています。
上長瀞駅の近くにある埼玉自然の博物館も見学しました。