講演会 「第2回海外留学・海外大学進学に関する基礎知識」
2014.03.18
昨年に引き続き開催された「海外留学・海外大学進学に関する基礎知識」に関する講演会、今回は留学カウンセラーとして著名な西澤めぐみ氏をお招きし、3月8日に開催されました。生徒・保護者合わせて250名を超える参加者が有り、実り多い会となったと思います。また、来年度から赴任するベンジャミン・ドバクマン先生の紹介もありました。
当日はベンジャミン先生のピアノ演奏から始まり、以下のように会が進められました。
先ず、グローバル教育部から海城学園の留学制度などについて説明されました。説明のポイントは四つです。
○「留学」は高校生に適用されるものであり、中学生の場合は一度退学しなければならない。(再入学は可能)
○9ヶ月以上12ヶ月以内の留学に関しては、単位認定が可能である。(諸条件有り)
○中学生の海外への転校、再入学に関する決まり。
○海外大学進学の支援に関して。
学校としては、留学や海外進学に関して最大限のバックアップをするので、是非相談にきて欲しいということです。
続いて西澤氏から、ご自身の体験を元にして、高校での留学や海外大学進学の意義について事細かくご説明がありました。また、国による入試制度の違い、各大学のタイプ別違い、留学や進学に伴う費用などについても説明されました。
西澤氏のお話のポイントは、留学にしても海外大学進学にしても大切なことは「本人の意欲」ということでした。さらに、入念に準備していくことも大切であることを強調されました。
当日配布された資料(「地球の歩き方」主催の海外研修など)が必要な場合は、グローバル教育部に取りに来て下さい。ただし、残りは数部となっています。
西澤氏のご講演の後、ベンジャミン先生が登壇されました。ベンジャミン先生はアメリカ出身で、ハーバード大学卒業後、東京大学に研究員として留学したという経験もあり、日本語は極めて流暢でした。ベンジャミン先生からはアメリカの大学タイプ別紹介と、海城で教鞭を執る豊富について語られました。ほんの一部をご紹介しましょう。
アメリカの大学は三つのタイプに分けられる。
○リベラル・アーツ・カレッジ
学生数は2000人足らずの小規模であるが、その利点を生かし、フレンドリーでサービ スが徹底している。ディスカッション中心の授業でラーニングに力を入れており、大学院はない。
○州立大学
学生数は20000万人以上、資源が潤沢で、授業や研究室、図書館なども充実している。 立地も市街で、アメリカ社会全体を見渡すことができる。
○私立大学
質の高い教育が行われており、自分の専門分野を究めることができる。また、人脈を広げ ることも可能で、卒業生からは大統領やノーベル賞の受賞者を多数輩出している。ただし、 ハードルは高い。
中でもハーバード大学は独立した思想が育つ、希望に満ちあふれた大学である。物事を論 理的に考えることを要求し、試験問題も複数の答えのあるものが多い。
そして、最後に、海城で教える楽しみとして、「どこにいても、周りの人々と交流ができて、勇気と同情を持って、自分の置かれている環境に貢献できる生徒」を育てたい、と結びました。
関連記事:http://www.school-mag.jp/8/news/251/
〈ベンジャミン先生の話〉
【大村君からのメッセージ】
さて、昨年アメリカの大学に進学した大村崇寛君から在校生向けにメッセージか届きましたので、以下に転載します。
大村君は、在学中はアメリカンフットボール部に所属し、模擬国連などにも積極的に挑戦していました。大村君が進学した大学は、グリネル大学で、ベンジャミン先生の説明にあった、リベラル・アーツ・カレッジです。大学の特色がよく出ていますので、彼の体験を読んで下さい。これからもメッセージを寄せてくれることと思います。
皆さん、初めまして!昨年三月に海城高校を卒業し、八月からアメリカ・アイオワ州にあるグリネル大学(Grinnell College)に進学しました、大村崇寛と申します。この度は、国語科・春田先生の強い要望(笑)もあり、アメリカでの学生生活について少し書いていくことになりました。日本語で文章を書くことはまずないので、怪しい部分もあるかと思いますがどうぞよろしくお願いします。
さて、僕が通っているグリネル大学について少し。グリネルは、今話題の!リベラルアーツ教育を行っている私立大学です(いわゆるリベラルアーツカレッジ)。アイオワ州は、地理を取っている海城生諸君なら当然分かると思いますが、トウモロコシの生産が盛んな、アメリカ中西部にある州です。まあ簡単に言えば「ど」がつくほどの田舎です。大学の近くには小さな町がポツンとあるぐらいで、めぼしいものは何もありません(遊んでないで勉強しろということでしょうか笑)。
大学の特徴となりますと…まず、学生全体が多様性に富んでいるということが挙げられます。
1. 留学生の割合がアメリカの大学の中でもかなり大きい。学生数の約13~4%が留学生で占められているそうです。実際、一年生約400人中、留学生は60人強います。それも、世界中から来ています。各大陸から少なくも一人は来ているのではないでしょうか。
2. LGBTが多く、またそれを皆が尊重する。LGBTとはLesbian Gay Bisexual Transgenderの略称です。このような学生が非常に多いように感じます。例えば、僕の親友にゲイもバイセクシャルもいます。日本にはあまりない価値観で(特に私立男子校出身者として)、初めは正直戸惑いましたが、「リベラル」な大学とはこういうことなのだな、と今では納得しています。
もうひとつの特徴は、「学びの自由」だと感じます。こちらでは、文理、芸術等で別々に別れることはなく、自由に授業を選択できますし、専攻の選択も比較的柔軟です。授業は文系科目、理系科目、芸術科目をバランス良く取ることを推奨されます。ちなみに僕は前の学期は「動物と機械における美徳」「中国語入門」「政治学入門」「統計学入門」を取り、今学期は「中国語」「経済学入門」「社会学入門」「心理学入門」「ピアノ」を取っています(バランスが良いか悪いかは皆さんのご判断に…)。
その他考えると、少人数といったことでしょうか。一番人数の多い授業でも25人程度で、少ない授業だと5人ぐらいです。ですので、授業に参加しやすかったり、教授・クラスメートと仲良くなれたりします。
今回は学校紹介に終わってしまいましたが、次からはもう少し生活の様子や自分で思うことについて書いていけたら、と思います。
ではまた!
(グローバル教育部)