• 理科 中3地学 トリチェリーの実験を水でやってみよう!

理科 中3地学 トリチェリーの実験を水でやってみよう!

2013.04.30

  • 理科

 中学3年生では気象の勉強をします。気象分野のはじめの方で,気圧とその測定方法を学びます。気圧の測定ではトリチェリーの実験が有名ですが,皆さん覚えていらっしゃるでしょうか。水銀で満たした長さ1mほどのガラス管を水銀槽に立てると,管内の水銀は降下し,76cmの高さで制止します。1643年,イタリアのトリチェリーは,約76cmの水銀柱の重さが大気圧に等しいことを発見しました。これが1気圧に当たります。
 さて,では理解を深めるために実験をやりたいところなのですが,水銀は有害で授業では扱えません。そこで,水銀の代わりに水を使いました,授業中に水だとどれくらいになるか計算をさせると,答えは10.3mほどになりました。じゃあ,やってみましょうというと,感の良い生徒は10mって…どうするの?となります。できるのと思ってしまう実験は,とても面白いと思います。色々と方法はありますが,今回はホースに水を充填させ,校舎の階段の隙間を利用して,ロープで4F近くまで引っ張りあげました。どのクラスでも10m前後まであがり大成功。歓声も上がるクラスもありました。教室授業にはやや迷惑で申し訳ありませんが,実際に実感してみることは大切です。記憶に残ってくれればと思います。



校舎の1階でホースに水を充填します。ここで空気を入らないようにするのが難しい。簡単な説明をしてループにホースの真ん中あたりを結びます。

いよいよ引き上げてもらいます。どこまで水は持ちあがるのか追っかけてください。

3階から4階の間で,水で満たされていたホースにトリチェリーの真空ができました。水は蒸発しやすく,完全な真空にはなりません。(クリックで拡大します)

1階のバケツの水面からの高さを測ると10m前後で,計算値にはやや届きませんでした。

なぜ水だと届かないのか。なぜトリチェリーは水銀を使ったのか補足します。実際の水面を見ながら,1階までの高さを覗いてみると,大気圧の大きさをよく実感できたでしょう。

啓林館の高等学校地学Ⅰの教科書の図です。これを見れば思い出すのでは?